ＣＡＲＧＯ　ＣＵＬＴ　南洋に現存する、「２０世紀」最後の神話

出版社からのコメント

南太平洋に浮かぶ火山の国、バヌアツ。１９８０年に独立を果たした彼の国には、古代変わらぬ暮らしを続ける部族が暮らし、そこには不思議な信仰が存在する。ジョン・フラムと呼ばれる人か精霊かもわからぬその神は、第二次大戦後の１９４０年代、この島に忽然と現れては消え、彼らに一つの予言を残した。「あなた方の伝統を守り続ければ、いつか私はこの島にアメリカと共に再臨し、技術や文物、富を携えたカーゴをこの地にもたらすだろう」。また別の村では、英国王室の故フィリップ王を崇拝し、「彼はバヌアツの島出身であり、この地の偉大な精霊の王だ」、と崇拝を続ける。ある西洋人の人類学者は、これらの伝承を評して、カーゴ・カルトと呼んだ。それは現在進行形で続く、２０世紀最後の神話である。■著者プロフィール佐藤　健寿　写真家。世界の民俗から宇宙開発まで、世界１００カ国以上を巡って幅広いテーマで撮影。代表作『奇界遺産』『世界』ほか多数。ｉｎｓｔａｇｒａｍ＠ｘ５１